山の空もよう

HOME > 山の空もよう > 低山ぐるり。農鳥が見えるのはどこまで?

低山ぐるり。農鳥が見えるのはどこまで?

2022/05/13

富士吉田市は4月29日、今年も富士山に農鳥の雪形が現れたことを発表しました。富士山の農鳥は標高3000m付近にある山肌のくぼみに雪が残り、鳥のような形に見える現象です。去年の出現は5月中旬だったので、今年は雪解けがずいぶん早いことがわかります。

去年はこのコラムで農鳥の形が千変万化であることを紹介しました。雪の残り方によっては、鳥というより牛に見えたり、妖怪アマビエに見えたりします。そして当然のことながら、見る角度によっても農鳥の形は変化します。実は、甲府からでも富士山の農鳥のある斜面は望めますが、ずいぶん角度がついてしまって、もはや鳥には見えません。農鳥の雪形を鳥として認識できるのはいったいどこまでなのか、ゴールデンウィークの週末に吉田・忍野・山中の山を歩いて調べてみました。

スタート地点は富士吉田市の富士見バイパス。農鳥が非常に目立っています。ただ、思っていたより正面の右側に位置し、すでにやや外旋して見えています。

ここから杓子山、鹿留山、石割山と歩き、どのあたりまで農鳥が視認できるか確かめます。カヤトの原の急斜面を登りきると、富士北麓が一望できる杓子山に到着です。この日は雨上がりだったので、この時期にしては珍しいくらい視界がクリアで爽快でした。南アルプスや八ヶ岳も、手に取るようにわかります。ここから見える農鳥はほとんどそっぽをむいてしまってかろうじて確認できる程度になってしまいました。

里山の稜線を伝って、石割山手前の二十曲峠までくると、もう農鳥にあたる残雪は鳥の形に見えません。

歩いてきた道のりはそれほど長くはありませんが、みるみる形を変えてしまいます。農鳥が見える範囲は案外狭いようです。
ここまでの調査から、農鳥がぎりぎり見える東限は忍野村周辺と結論付けました。今回、西限は調査していませんが、河口湖駅周辺を中心とする線対象だとすると、西湖と精進湖の中間あたりまでならかろうじて見えるのではないかと思います。甲府はちょうどそのあたりの延長線上に位置するので、残雪は見えても鳥の形にギリギリ見えない角度なのです。