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天気を知らせる鳥

2021/10/15

ここ数週間は山が楽しくて仕方がありません。今回も山旅の報告です。

9日、10日は白根三山を縦走してきました。天気に恵まれて眺望のいい山旅でしたが、大門沢を登りつめて農鳥岳の稜線に出た瞬間だけはガスに包まれ、ゲゲゲ……、ゲゲゲ……というような不気味な声をききました。聞き間違いでないとすると、声の主はおそらくライチョウです。

ライチョウは世界中のツンドラに生息していますが、日本アルプスが生息南限とされています。氷河期に広分布を広げていたものが、間氷期のいま、寒冷地の高山地帯にわずかに残されているのです。冬になると山を下りてくる鳥も多い中、ライチョウは日本アルプスの厳しい環境にたえて越冬する留鳥で、この期間は灰褐色の夏毛から白い冬毛に生え変わります。

人なつっこく登山者からは非常に好まれているライチョウですが、自然界には天敵が多い鳥です。キツネやテン、最近ではニホンザルまで高山帯に進出し、ライチョウは数を減らしています。猛禽類も恐ろしい天敵で、ライチョウは姿を隠すために天気の悪い日のほうが動きが活発のようです。南アルプスのライチョウには結局出会えずじまいでしたが、そのおかげで素晴らしい展望が得られたのかもしれません。